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2025/05/12 14 : 59
CATEGORY : [SS]
レポートの息抜き。

お前は早く勉強しろ。



「げほっごほごほっ……はぁっ……」

落ち着いて、眠れない。

眠りにつこうとすると発作が襲う。

血を吐いて、眠れなくて、それでも生き続けるくらいなら。
もういっそ、永遠の眠りにつければいいのに。
そんなことを毎日思う。

「……けほっ…」

手についた血を見て、ちょっとだけひどくなったかな、そう思う。
横を見ると、大量の薬。
僕を薬漬けにでもしたいのかな。

この病は決して治ることなんてなくて。
死には至らないけれど、薬飲まなきゃ相当苦しいって。
だけど、毎日薬を飲めば症状を抑えることができるって。
そう言われて、薬を馬鹿正直に飲んでた。

「……薬なんて、気休めだよ……ごほっごほっ」

全然抑えるなんてレベルじゃないよね。
診察を受けるたびに増えていく薬の量。
飲んでも飲んでも、悪化するばかり。
みんなには変な心配かけないように「薬飲み忘れた」って言うけれど。

ほんとは、ちゃんと飲んでる。

ちょっとでもよくなるのを信じて。

「……嫌だな」

毛布をかぶってうずくまる。
その間にも、肺が苦しくて、咳込む。
このまま、僕は死んじゃうのかな……。

「嫌だな……げほっ……」

あの時マスターに助けてもらわなかったら、今頃森を仕切って夜中にたくさんのヤミカラスを引き連れてたのかもしれない。
確かにそれはドンカラスとしての本分なんだろうけど。

でも。

マスターに会えて、仲間に出会って。
最近なんて、友達もできた。
毎日毎日、わいわい騒いでいるのがとても楽しくて。
日なたに出るのが好きになった。

群れで行動するわりに友達とか、仲間とか、慣れあうのは好きじゃない種族だから
マスターに会わなきゃ、今の僕はあり得なかったんだろうな、なんて。

死にたくない、なんて思わなかったんだろうな、なんて。

そんなこと、森に住む仲間たちに言ったら…きっとびっくりするだろうな。

「……嫌だな……」

じわっと、涙が出てきた。
僕の感情に反応してるのか、それとも体の痛みに反応してるのかはわからない。

僕は毛布を掴む手をきつく握る。

「げほっ……ごほごほっ…ごほごほごほっ……はぁ…げほっげほっ」

咳がひどくなってきた。
呼吸すらままならない。

本当に死んじゃうの?
そんなの嫌だよ。

「嫌だよ……」


がばっ。

毛布がはぎとられる。

「ヤター?大丈夫ー?」

上から声が降ってきた。

「セイテン…?」
「セキひどいなって思ってさー」

そう言って、セイテンはゆっくり僕を起こしてくれる。

「セイテン、背中さすってあげて。ヤタ、薬飲める?」
「水持ってきたよー」
「ガレリア…ウスイロ……」

ガレリアから薬をもらって、ウスイロが差し出してきたコップを持つ。


がちゃ!

結構な勢いでドアが開いた。

「マスターに言ってきたよ!もうすぐジョーイさんも来ると思う!」
「我、神通力で汝の痛み、払う…」
「クルミ…マツリ……」

クルミは僕の手についた血をティッシュで取って、マツリは神通力をかけ始める。

「みんな…どうして」
「最近調子よくなかっただろー?だからみんなで気をつけようなーって言って」
「だから最近電撃抑えてやってたんだからね!」
「我ら、汝をちゃんと、見ている」
「迷惑じゃ、ない?」
「ぼくたち、マスターに選ばれてパーティー組んでるんだから」
「これくらい当然でしょ!」

「……みんな…」

もしもみんなが僕を必要としてくれるのなら。
僕はみんなに言わなきゃいけないから。

「ありがと」

「なんかくすぐったいなぁ」
「あっはは!まぁいいんじゃね?」
「わーいお礼言われたー」
「そんなことより安静にしてなさいよね!」
「痛み…払った」

みんなの声を聞きながら薬を飲んだら、いつもよりも効きが早い気がした。


おしまい。


ヤタさんが倒れた!って話を書きたかったのですが、どシリアスになりそうだったのでこんな感じで。
最後ははっぺー(ごめん某Pネタで)です。
ヤタさんは元気です。ちゃんと、元気です。
むしろこいつは死んでも死ななそうです。

今気付いた。

神通力って悪タイプには効果ないよな。

だけどいいんだ。
マツリさんの超能力は2000年前仕様なんだ。

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2008/07/13 12 : 56
こめんと [ 0 ]
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