「クルミー?どうしたー?元気ねーぞ?」
「……何でもない」
嘘だ。
それくらいオレだって見てればわかるよ。
ぱく、とモモンの実を食べながら、小さいく丸まってる背中を見る。
「クラボの実、食べる?食べれば元気出るぞ?」
「……もらう」
ずい、と手だけのばしてクルミは要求してきた。
袖から少しだけ手が出てたから、ちょん、とクラボの実を持たせる。
クルミは少しだけ顔を上げてクラボの実をほおばった。
「……いつ、帰ってくるかな」
「さぁねー。そもそもカントーから来たんだし、帰ってくるって言うのか?」
「連絡くらいくれないかな」
「どうだろうね」
「…そこはもうちょっと励ますような言葉を言うべきじゃない?」
どうしてだろ。
どうして、気付かないんだろ。
発電所で泣いてたクルミを見て、あれ?って思って。
食べることが一番だったオレが、気づいたらモモンの実を渡してて。
その時から変だなーとは思ってたけど。
あの綺麗な人とクルミがやたら仲良くしてるのを見てたら、なんだかムッとした。
この気持ちが何なのかはわかんないけど。
どうしてかな?
ほら、今一番近くにいるオレじゃなくて、ずっとずっと遠くにいるあいつを見てる。
気づいてないかな?パチ子じゃなくてクルミってちゃんと呼んでるの、オレだけだよ?
気付いて、気付いて、オレの気持ち。
こんなに近くにいるから気付いてもらえないのかな。
まぁいいや。
難しいこと考えるのは好きじゃない。
全部食べれば解決するよ。
モモンの実をほおばって、もやもやした気持ちごと飲み込んだ。
セイテン→パチ子っていうのはずっと頭にありました。
古参二人組。個人的にここはセットなのだがなかなか描けない。
さて、レポートやるか。
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